今回は税制についてです。平成21年度税制改正大綱に盛り込まれた注目すべき創設内容についてお話いたします。
個人が平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に取得した国内にある土地等で所有期間が5年を超えるもの（長期譲渡所得税対象）を譲渡した場合、譲渡所得の金額から1,000万円を控除する。
この制度は、法人にも適用されます。
たとえば、1億円の物件を上述の期間中に購入し、5年の保有期間後に1億1,000万円で売却したとします。
1億1,000万円−1億円＝1,000万円
となり、1,000万円の譲渡益が出たことになります。この1,000万円から特別控除額の1,000万円を差し引いた価額に課税されます。この例題の場合、
1,000万円−1,000万円＝0円 0円×20%＝0円
となります。本来であれば、1,000万円×20%＝200万円の譲渡税が課税されていたわけですから、この制度の利用によって、200万円の節税ができたことになります。但し、この例題の譲渡益は簡単にお話しておりますが、実際には、
譲渡益＝譲渡価額−（取得費＋譲渡費用（経費））
となります。また、この制度は国会の可決後に適用されるものです。ほぼ確定と考えていいでしょうが、まだ国会審議中です。ご注意ください。