「売主、買主は、本物件引き渡し完了前に天災地変、その他売主、買主いずれの責に帰すことのできない事由により、本物件が滅失または毀損して本契約の履行が不可能となったとき、互いに書面により通知して、本契約を解除することができます。ただし修復が可能なとき、売主は買主に対し、その責任と負担において修復して引き渡します。」
これは、地震などで建物が全半壊してしまった場合など、買主が本来の目的を達する(例えば居住するなど)ことが出来なくなり、売主がその修復に甚大な費用を要するときは、契約を解除して白紙に戻しましょう、という内容の契約条項です。
逆に修復が可能なときは売主の責任と負担で修復して引き渡す、とあります。売買契約に際しては、売買契約書以外に物件状況報告書ならびに付帯設備一覧表というものを売主と買主の間で交わします。
基本的な考え方としてキッチンや給湯器や洗面台から網戸にいたるまで動産であり不動産に付帯する物として扱われます。これらの付帯設備の有無と現状使用可能かどうか報告を受けます。買主は契約時点ではまだ住んでいない訳ですから細部についての把握は困難なので、この書類で現状を認識します。
例えば、「網戸・7枚有り」と記載されており、異常等の報告の記載が無い場合に引き渡しを受けた後で網戸が破れていたとします。これは、売主に修復義務があります。まずご自身で修復せず仲介業者にすぐ報告し現状を確認させて下さい。急を要すること以外は、必ず仲介業者に確認させ指示を仰いで下さい。ご自身で修復して金銭を請求するというやり方は好ましくありません。また、売主の立場から、契約当時に正常に使用できていた物が破損した場合などは、ご自身で修復して引き渡さなければなりません。
それでは、引き渡し後に「給湯器」が故障してしまった……。このような場合はどういう扱いになるのでしょうか?
次回は、「瑕疵担保責任」と合わせてご説明差し上げます。