ローン特約や最終残代金決済日についてご説明させていただきましたが、この最終残代金決済日についてもう少し掘り下げてご説明致します。
最終残代金決済日は一般的には契約日より約1ヶ月~1ヶ月半の日にちを設定します。
これは、住宅ローンを利用の場合も手続きに約1ヶ月程度の時間がかかることと、売主も契約してから物件引き渡しの準備に余裕をみて約1ヶ月程度の期間を見込みます。
しかし、買主の都合、売主の都合でこの期間が必要以上に長くなる、もしくは短くなる場合は充分に交渉を行い、打ち合わせをしなければなりません。
特に必要以上に長くなる場合は、その分リスクも高まるので充分注意が必要です。また、基本的に残代金の授受と物件の引き渡しならびに所有権の移転登記は同日に行います。
逆に、売主が自宅を売却して次の移転先の不動産を購入する場合は、売主は売却物件の残代金を受け取り、次の購入不動産への残代金支払いを済ませ、尚かつ引っ越しを行い、現在の自宅を買主へ引き渡すこととなります。物理的に不可能ではないですが、一日でこの作業をすべて行うにはかなりタイトなスケジュールとなります。
この場合によく利用する方法として「引き渡し猶予」という特約を附加します。これは残代金支払い決済日に所有権移転手続きは行うのですが、引き渡しを約1週間~10日程度猶予します。その期間内に次の購入不動産の残代金支払いを終え、引っ越しを行い売却物件の引き渡しを行います。
買主側からすれば、1週間程度自身の所有になった不動産に第三者が住んでいる状態が続くわけですから、本来であれば相当家賃を請求してもいいはずです。ただし、断片的に家賃を徴求したりはせずに、契約内容全体のことと捉まえて価格交渉等に反映させる方が適当です。
それにしても「引き渡し猶予」はリスクが伴うので、仲介業者とよく相談し説明を受けることをお勧めいたします。